2013年4月10日水曜日

訪問看護ステーション「花みずき」ブログ⑱

<自立支援について>訪問看護

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        訪問看護ステーション
        「花みずき」
        訪問看護師 西迫 真美

 

介護保険制度がスタートしてからすでに10年以上がすぎ、訪問看護を受けている人の数も年々増えています。

しかし、そもそもなぜ介護保険制度ができたか皆さんご存知ですか?

日本では少子・高齢化が進む一方で、従来の高齢者福祉・医療制度では対応が困難になり、さまざまな問題が発生していたため、介護を必要とする高齢者とその家族が自分達で利用したいサービスを決定し、契約に基づいてサービスが提供されることを目的として作られました。また、介護保険制度は、介護を必要とする状態となっても、 自立した生活ができるよう、高齢者の介護を国民みんなで支えようとする仕組みです。

訪問看護では、「ただ薬をセットする人」「血圧と熱をちょっと測るだけの人」と言われてしまうことがあり、とても残念な思いをすることがあります。
しかし、体調が悪い時だけが医療者の出番ではないのです。訪問看護の対象は、「病気を患っている人」ではなく、病気や障害を持ちながら「家で生活する人とその家族」であるため、いかに自宅で不自由なく生活できるように支援できるかという視点で関わっています。
(最も、それが完璧にできているわけではありませんが・・・笑)

                 {写真は、クリックすると拡大します。}
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 ①歯磨きの出来なくなった方へ、スポンジを用いてどのように口腔ケアをしたら良いの
       か手順がわかるように絵にしました。


  ②食事の前に唾液の分泌を促し、飲み込みを良くするための口と舌の運動を行ってもら
      うように、絵に描いて渡しました。

  ③
食事指導が必要な方に、イラストを用いて一目でわかりやすいように工夫しました。
     字ばかり書いてあっても目が悪くて見えなかったり、読むことが苦手な方も多数い
       らっしゃるからです。  

誰だって健康でいたいですよね?風邪を引いただけでも熱がでたらきついですし、病気になったらこれからは健康管理に気をつけようと思いませんか?自分が元気でいるため、自宅でずっと長く生きていられように私たち訪問看護を利用して欲しいと思います。

例えば、病院にいると看護師が毎日体を拭いたり薬を渡したりと管理されていると思います。しかし、訪問看護では、1週間のうち私達が行った日だけからだを拭いてきれいになっても、残りの6日間全く拭かなければかゆくなったりかぶれたりします。
薬も1日の昼の薬だけ飲んでも残りの6日間が飲めていなければ病状は悪化します。
そのため、「どうしたら自分達で生活できるか」「自分達だけで療養生活が難しければどのサービスを利用したらよいのか」を一緒に考えています。
看護師にとっても、患者さんにとっても、聞きたいとき、指導したい時にすぐその場にいるわけではありませんので、あらかじめ予想されることは確認し合っておくことが大切です。
「便が出なかったら下剤を1錠服用してください」とだけ説明すると、1錠飲んでも出なかったときどうすればよいのかは患者さんには分かりません。1つ指導をするときはその方法がだめだった時の対応策まで伝えておかなければなりません。

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インスリンの単位がかいてあるだけですが、この紙を自宅のよく目につく場所に貼るだけで、単位間違いがなくなりました。

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私はよく説明や確認不足で後から電話したりすることもあり、なかなか自立支援に向けた指導や伝え方ができておらず、悩むこともありますが、私自身口で言われただけでは覚えていられないことがあるため、なるべく絵や文字にして説明するよう工夫しています。
そうすることで、私たちがいない間も確認ができたり、注意をしながら少しずつできるようになっていることもあるので、頑張った甲斐があったと御互いに嬉しくなりますし、励みになります。
これからも患者さんに「してあげる」だけでなく「患者さん自身ができるように」支援していけるように頑張ろうと思います。

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