2012年2月29日水曜日

大隅鹿屋病院 訪問看護事業所ブログ⑦

渡口

 

      『 私が訪問看護師を目指したきっかけ』

                                                    大隅鹿屋病院 訪問看護事業所
                                                           訪問看護師  渡口 小百合



    私が訪問看護師を目指したきっかけは、母方の祖父母の影響でした。

   祖父は小さい頃から病気がちで、生死をさ迷った事もあると聞いています。
そのせいもあり、病院嫌いで看護師の前では優しい態度なのですが、ストレスの捌け口が祖母で、祖母に対しては常に冷たく厳しく当たっていました。

祖父には私が小さい頃は、たくさん遊んでもらった記憶があります。
しかし、私が小学生の高学年頃に脳梗塞を発症してから入退院が多くなり、自宅にいる事が少なくなりました。

ある病院に入院している時に、病床が足りなかった事もあり、4人部屋の所に6人の患者さんが入院する事になりました。私がお見舞いに行くと、祖父は仕切りのない所にいました。
脳梗塞後遺症で不全麻痺になっていたため、人の手を借りないと排泄も出来ず、ご飯も食べれない状況でした。その中で看護師は忙しく働いていて、十分なケアが出来ている様な状況ではありませんでした。
入院中の祖父はなんだか【モノ】のように扱われていて、今でもその時の姿が忘れられずにいます。

!cid_01@120227_161650@______F09C@docomo_ne もともと、世話好きだった私は祖父に何かしてあげたい、出  来る事がないか考えましたが、知識がない上に幼かったせい もあり、どうする事も出来ず、ただ見ているだけでした。
 祖父が今まで過ごしてきた自宅で、生活・療養出来ないか、 早くお家に連れて帰りたいと、お見舞いに行く度に感じていま した。

 祖父は無事に退院出来て、自宅で過ごす事になりましたが、 主な介護者は祖母だったので介護負担が多くなり、少しでも その負担を減らしたいと言う思いが強くなりました。
 その後、なんとか自宅で療養していましたが、体が思うように 動かせず転んでしまい、両股関節を骨折、緊急入院、手術と なりました。
 その時に出来た褥瘡は、今でも治療を続けています。


  その経験から私は、将来看護師の道を目指そうと決心しました。現在は、看護学校を無事卒業し、看護師になり早いもので5年が経ち、大隅鹿屋病院で訪問看護師として半年が過ぎようとしています。
祖父母を助けたい一心で始めた看護師ですが、今でも気持ちは変わりません。
訪問先で会う利用者さん、一人ひとりに合わせた看護が提供出来るように、日々、努力し頑張っています。自分が理想とする看護師にはほど遠いと思いますが、利用者さんにとってより良い看護が提供出来るよう、これからも努力を重ねて行きたいです。