2012年11月6日火曜日

訪問看護ステーション「花みずき」ブログ⑬           “人生の大先輩に学ぶ事”

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         訪問看護ステーション
               「花みずき」
       訪問看護師 西迫 真美
こんにちは。
最近、朝・夕は寒く、昼は暑くと体温調節が難しい季節になりましたね。
患者さんの家では、私が汗をかいているなかストーブがつけてあったり、患者さんも汗をびっしょりかいているのに、朝の寒さから毛布を被ったままでいたり、厚手の衣類のままでいたりと様々な光景が伺えます。illust4394_11thumb

高齢になると、「寒い」「暑い」などを感じにくくなるため、気づいたときには大量に汗をかいていたり、手足が冷たくなっていたりと、室温や衣類の調節が難しくなります。
そのため、訪問看護では、換気をして空気の入れ替えをする様に声をかけたり、衣服や掛け物の調節をしたりと、患者さんが暮らしている場所で快適に過ごせるように、暮らしの中での助言も行っています。病気を引き起こしているのは、その人の暮らしの中に(つまり生活習慣の中に)問題や課題があるわけですもんね。
自宅では熱がでるのに病院に行くと自然と熱が下がるという患者さんもいますが、それは意外と“環境”を整えることで解決したりします。
私たちはそのような環境調整を行う役割も担っています。

さて、なぜこのような話しをしたかと言うと、祖母から「訪問看護は何をするの」と聞かれたからです。母が「体温や血圧を測ったりしたあと胸の音を聞いたりして、問診をするんでしょ?」と言ったので、私はそれだけじゃないんだけどなぁと思いながらも「まぁそんなところ」と答えました。
すると祖母は「先生とひとっこだね(先生と同じようなことをしているんだね)」と関心してくれました。しかし、今思えば、もう少し訪問看護師だからできることを伝えたらよかったのかなぁ、と少し後悔しています。
                                 (写真をクリックすると、拡大します。)

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道中、山の湧き水が出ているところがあります。写真を撮った日も、地元の方々が水を汲みに来ていました。水の神様が季節の変化を見守っています。imageC2ABWBF38

祖母は90歳を超えて自立した生活を送っていますが、いつも一人で、亡くなった祖父に向かって「早く迎えにきて」と言っています。永年連れ添った人がいなくなり、一人で広い家に暮らすのは誰だって寂しいですもんね。
私はいつまでも元気でいてほしいと思っていますが、もし祖母に介護が必要になったら、自宅で快適に過ごせるように、環境を整えられたらと思っています。
そして、もっと頻繁に電話をしたり、顔を見せに行こうと思いました。
日ごろから訪問先の患者さんに「親は子どものことをやっぱり思っているんだよ」「電話がくるだけでも嬉しいんだよ」「何も持っていかなくてもいいんだから生きているうちにたくさん会いに行きなさい」といわれていましたが、今回、そのことをとても痛感しました。
祖母は涙を流して私が会いにきたことを喜んでくれたからです。私も祖母から悩みを聞いてもらい、さすが人生の大先輩だと思えるような重みのある言葉をいただき、前向きになれました。

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人生の大先輩の一人です。             実家に帰る道中はとにかく山です。ちょっとした森林浴
                                                            になりますが、山の上は特に寒さがこたえます。 

私達が相手にする人は、ほとんどの人がご高齢ですが、歳を重ねてきた分いろいろな人生を歩んできた大先輩なのだ、という敬意を忘れずにこれからも働いていこうと思います。