2012年12月27日木曜日

訪問看護ステーション「花みずき」ブログ⑭

訪問看護の醍醐味?!在宅での薬の管理について

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           訪問看護ステーション

                          「花みずき」
 訪問看護師  野間川内 有紀

  訪問看護に興味を持ってもらうため、訪問看護とはどういうものなのか、訪問看護を少しでも、知ってもらえるようにと、みんな あれこれ考えながら、ブログを更新しています。
訪問看護を身近に感じていただけるように、訪問看護の魅力などを分かってもらえたら、という事で、今回は私なりに訪問看護を紹介してみたいと思います。

今は看護科目の中に、在宅看護という教科があり、訪問看護の実習も必須科目となっているようです。私たちが看護学生の頃(10数年前?(笑))は、訪問看護のことは、教科書でサラッと習う程度でした、在宅看護という科目もなかったと思います。illust53622_thumb
訪問看護師も、病棟の看護師も、外来の看護師も、基本は同じです。
大きな違いはなんでしょう、看護を提供する場所が、病院か、自宅(在宅)かという違いでしょうか。
例えば、身体の清潔の(入浴・清拭)介助をする。独りでは入浴が困難な方を看護師が、手助けを行ない、安心・安楽に入浴してもらう。
病棟の場合、病院の浴室に行き介助するのですが、浴室までの移動や、必要物品、病院内で整備されている事が多いと思います。
訪問看護の場合、入浴を介助するにあたり、浴室までの導線を確認し、患者さんは移動可能か?自宅の浴室はどうなっているか、段差は?浴槽の深さ?など介助するにあたり、問題はないか?どのようにすれば、問題はクリアーできるか?など確認したり、分析したりします。自宅にある物をどのように工夫したら安全か、どのような補助具があったら良いかなど検討したりします。

例えば、薬の管理をする場合。
病院では、決められた場所に管理し、決められた時間に配薬すると思います。訪問看護では、患者さんが、今までどのように薬を管理していたか?それで問題はなかったのか? 問題がある場合は、薬を正しく服薬してもらうにはどのように、薬を管理してもらえば良いか?どうすれば飲みやすくなるか?どうしたら飲み忘れないか?家の中を見渡しながら、検討しますが、次回訪問までは、患者(家族)さんが管理されるので、患者さんに薬の服用方法や作用など理解してもらえるように説明したりします。
                 (写真をクリックすると、拡大します。)

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訪問看護に携わり、私は今まで 病棟や外来で仕事しながら、こんなに考えて患者さんと関わっていたかな?と思い返すことがあります。以前他の病院で、病棟看護師として勤務していたときに、入院してきた患者さんの薬を確認すると、薬が沢山余っていて『薬 飲んでなかったんだー、薬飲まかったから悪化したのかなー』と思うことがあったりしました。
その人が入院治療で病状が良くなり退院する際、薬を準備し渡すとき、私は自宅での薬の管理方法を確認などしなかったし、どうしたら飲み忘れなくなるか、など検討して助言したりは、していなかったように思います。

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訪問看護で、患者さんの自宅に足を運び、生活環境を見て、見えてくる問題点、それを改善して、患者さんが、自宅で安心して療養できるよう、いろいろ考えたり、調べたり、苦悩する日々もあります。しかし、患者さんが、家で入浴出来て「気持ちよかった」、薬の管理が上手くいき「毎日、薬飲んでいるよ」と、自分の考えた事や工夫が、患者さんの喜びにつながったり、その結果 生活の質(QOL)が向上すると… 本当に『良かった』と安心するとともに、訪問看護のやりがいにつながっていくのだと思います。
illus1t1953_thumbもちろん、病棟や外来で勤務していた時も、看護師として患者さんが、病気が治り良くなると、嬉しく思っていましたが、訪問看護は、その看護師の看護観やアセスメントや判断が、患者さんに直接影響することが多く、大丈夫かなー?と不安に感じこともありますが、患者さんから直接良い、反応が返ってくると、「よし、次の訪問先も頑張ろう」と私自身が、元気になります。

今、看護師の職場は在宅にも拡がりつつあります。そこには、看護の本質があるように、私は感じます。在宅看護に足を踏み入れてみませんか?
もしたしたら看護の世界が広がるかもしれませんよ。

2012年11月6日火曜日

訪問看護ステーション「花みずき」ブログ⑬           “人生の大先輩に学ぶ事”

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         訪問看護ステーション
               「花みずき」
       訪問看護師 西迫 真美
こんにちは。
最近、朝・夕は寒く、昼は暑くと体温調節が難しい季節になりましたね。
患者さんの家では、私が汗をかいているなかストーブがつけてあったり、患者さんも汗をびっしょりかいているのに、朝の寒さから毛布を被ったままでいたり、厚手の衣類のままでいたりと様々な光景が伺えます。illust4394_11thumb

高齢になると、「寒い」「暑い」などを感じにくくなるため、気づいたときには大量に汗をかいていたり、手足が冷たくなっていたりと、室温や衣類の調節が難しくなります。
そのため、訪問看護では、換気をして空気の入れ替えをする様に声をかけたり、衣服や掛け物の調節をしたりと、患者さんが暮らしている場所で快適に過ごせるように、暮らしの中での助言も行っています。病気を引き起こしているのは、その人の暮らしの中に(つまり生活習慣の中に)問題や課題があるわけですもんね。
自宅では熱がでるのに病院に行くと自然と熱が下がるという患者さんもいますが、それは意外と“環境”を整えることで解決したりします。
私たちはそのような環境調整を行う役割も担っています。

さて、なぜこのような話しをしたかと言うと、祖母から「訪問看護は何をするの」と聞かれたからです。母が「体温や血圧を測ったりしたあと胸の音を聞いたりして、問診をするんでしょ?」と言ったので、私はそれだけじゃないんだけどなぁと思いながらも「まぁそんなところ」と答えました。
すると祖母は「先生とひとっこだね(先生と同じようなことをしているんだね)」と関心してくれました。しかし、今思えば、もう少し訪問看護師だからできることを伝えたらよかったのかなぁ、と少し後悔しています。
                                 (写真をクリックすると、拡大します。)

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道中、山の湧き水が出ているところがあります。写真を撮った日も、地元の方々が水を汲みに来ていました。水の神様が季節の変化を見守っています。imageC2ABWBF38

祖母は90歳を超えて自立した生活を送っていますが、いつも一人で、亡くなった祖父に向かって「早く迎えにきて」と言っています。永年連れ添った人がいなくなり、一人で広い家に暮らすのは誰だって寂しいですもんね。
私はいつまでも元気でいてほしいと思っていますが、もし祖母に介護が必要になったら、自宅で快適に過ごせるように、環境を整えられたらと思っています。
そして、もっと頻繁に電話をしたり、顔を見せに行こうと思いました。
日ごろから訪問先の患者さんに「親は子どものことをやっぱり思っているんだよ」「電話がくるだけでも嬉しいんだよ」「何も持っていかなくてもいいんだから生きているうちにたくさん会いに行きなさい」といわれていましたが、今回、そのことをとても痛感しました。
祖母は涙を流して私が会いにきたことを喜んでくれたからです。私も祖母から悩みを聞いてもらい、さすが人生の大先輩だと思えるような重みのある言葉をいただき、前向きになれました。

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人生の大先輩の一人です。             実家に帰る道中はとにかく山です。ちょっとした森林浴
                                                            になりますが、山の上は特に寒さがこたえます。 

私達が相手にする人は、ほとんどの人がご高齢ですが、歳を重ねてきた分いろいろな人生を歩んできた大先輩なのだ、という敬意を忘れずにこれからも働いていこうと思います。

2012年10月19日金曜日

新人看護師の成長を楽しみに!                  教育担当者の6ヶ月フォロー研修

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                                看護部教育委員長
みなさん ど~もですぅ。 v(~。~)v           集中治療室(ICU) 
早いもので、新卒看護師が入職して半年が過ぎました。            師長  藤安 友子                                                           私達の病院では、平成24年4月1日に6人の新卒看護師が仲間に加わり、それぞれ急性期病棟の忙しい中で、悪戦苦闘しながら頑張っています。
                        (写真をクリックすると、拡大します。)

P1000831  今回9月末に、教育担当者6ヶ月フォロー研修を実施しました。
  この研修の中で、新人看護師の現在の進捗状況や目標到達  度に  添った評価など各部署が報告し、あわせて情報交換も  行いました。

 この会を開催する前に、新人看護師の6ヶ月フォロー研修を行  い、その1週間後実地指導者の6ヶ月フォロー研修を行い、ま  た、その1週間後に、この教育担当者6ヶ月フォロー研修を行  いました。それぞれの意見を次の会に書面と口頭で追加補足  しながら報告し、話し合い・グループワークの内容がそれぞれ  の立場の人たちに活かされていくようなシステムにしています。
 そして、教育担当者研修が終わった後には、師長会でこの全  ての研修内容を伝達、看護部の全責任者に新卒看護師の現  状や院内新人教育の状況を伝え、十分把握した上で、同じ目  標を掲げ、統一した指導方法を取り組んでもらえるようにとの意 図があり、行なっています                     
  6名の新人看護師 fight!         

 
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    教育担当者による6カ月フォロー研修で、新人教育の内容について熱く語りました。              各部署の垣根を越えて、病院全体で新人看護師を応援します。

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振り返り新人看護師の、初々しい熱い眼差しに応えるようサポートします。

自部署だけでは、経験できない処置などを部署の垣根を越えて、他部署で経験・研修できるようなシステムも取り入れ現在進行中です。
この日も、新卒看護師の提出した日々の振り返りレポート                                 クリックで拡大
の内容を読み返し、指導内容・方法の検討や成長段階の把握などを行い、グループワークでも教育をどうしたらより良いものになるかをアツ~く語り合いました。指導方法にシャドー研修やローテート研修を取り入れたらどうだろうか!?などなど語り尽くせない様子でした。

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 現在6人は、自分ひとりに任され る業務の内容も増え、不安  な思いも感じつつも責任感とやる  気がそれに勝っているため か、いきいきと頑張っています。
 私達先輩はみんなで応援しながら、個々の成長を楽しみにして 
います。動画image1動画image1image334263         【ちょこっとMEMO】
平成22年4月から新卒看護師への卒後研修が努力義務化された時から、当院も厚生労働省のガイドラインに沿って少し教育体制を変更しました。
当院の新人看護師の教育体制について少し、お話させていただきます。
入職してくる新卒看護師1名に対して、配属部署から実地指導者が1名ずつ任命され、その実地指導者の上に部署ごとに1名の教育担当者を配置するようにしています。
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実地指導者とは、日常的な業務内容から、相談相手、メンター的なことまで、関与していきます。プリセプターのように日々の業務を常に一緒に行う事はできませんので、部署全体で育てていこうというスタンスで望んでいます。
実地指導者ばかりに負担がかかってしまってはいけませんので、新卒看護師の技術的なことやメンタル面のフォローアップばかりではなく、実地指導者の相談役になるように、教育担当者を配置し、、フォローアップ体制を敷いています。
いまは部署全員で新卒看護師の育成に関われるような、環境作り・体制作りを目指して頑張っています。

訪問看護ステーション「花みずき」ブログ⑫      田の神さぁ(たのかんさぁ)

動画赤とんぼP1010438image4CAPWLCIJ 秋の気配もだいぶ深まり朝晩寒くなってきましたが、
皆さん体調を崩されたりはしていないでしょうか?                                              訪問看護ステーション
稲穂も黄金色に輝いてとてもきれいです。                           「花みずき」稲刈りをしている姿も見受けられる、今日この頃です。           訪問看護師訪問中車を運転していると、このような美しい光景に出会います。         樋脇 真由美  美しい光景をみると心が和みますね。仕事中ですが、少し得をした気持ちになります。illust246079_thumb

そして訪問中には、縁を感じる出会いもあります

今日は訪問の行く先々で出会った、体は小さいですが懐の大きい方々のご紹介をしたいと思います。

(写真はクリックすると、拡大します。)

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 写真をみてお気づきの方もいらっしゃいる  かと思いますが、そうです、田の神こと鹿  児島では田の神さぁ(たのかんさぁ)と呼ば  れ古くから親しまれてきた神様です。

 田の神さぁは、冬は山の神となり、春は、  里に下りて田の神となって田を守り、豊作  をもたらすと言われ、18世紀はじめ頃より  作られ始めたそうです。鹿児島では噴火・  天災などが原因で不作が続いたようで、  そのような中で豊作を願って、農家の方々 もしくはその地域に住む方々のよりどころと して建てられたようですね。   P1010420

              
大隅鹿屋病院が建てられる前は、この周辺一帯のどかな田園地域でした。
そのなごりで、今でも病院から「田の神さぁ」が見守ってくれています。

手にはお椀を持ち、たすきの後ろには稲穂がついています。
 
毎朝見るたびに、今日もご飯が食べられて有難うございます。と感謝したくなります。
その古き良き伝統が今でも続き、田の神さぁの前には焼酎や花、榊などが今でも手向けられています。
地域の方々に愛されて続けている事が分かる光景です。

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       田の神さぁが工事の安全を見守って下さる中、隣の敷地で大型重機による
                新病院建設:基礎工事が始まりました。

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  新病院は、平成26年6月完成予定
    (地上9階:地下1階建て)
 
 屋上にはヘリポートを設置し、ドクターヘリに対  応する計画です。
 光や風を施設内に取り込み、快適な療養環境  を提供できる設計となっています。

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田の神さぁだけでなく、集落や部落と呼ばれるところには氏神様と呼ばれる祠もたっています。

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あああ  このような神様方は雨の日も、風の日もじっと佇んで、そこにすむ人々の安全や健康を願い、ずっと見守られてきたのですね。何代先のご先祖様から見守られてきたのでしょうか。私の祖父の家には、氏を守ってきた祠がたっています。祖父は、毎日榊をもってお参りに行きます。宝くじを買ったら、何度も手をすり合わせながらお参りをする祖父の姿は、お参りというより、もはや鬼気迫るものを感じ、独りで笑っている孫の私です。
そのような祖父の姿をみているからでしょうか、道端にひっそり佇んでいる神様をみると懐かしい人にあったような気持ちになり、ついつい心の中で話しかけてしまいます。「神様は、今までどんな人に出会ってきましたか?不作の時は大変な事もあったでしょう。
そのときはどのようにして切り抜けたのですか?これからも何事もなく穏やかに暮らせるようにこの地域や人々を守ってくださいね。」と話かけては、次の場所へと向かいます。
中には一期一会の神様もいらっしゃいます。人であれ、何であれ出会いがあれば別れもあります。きっとその神様には、そうやって出会った人が刻まれていくのでしょう。私もその長い歴史の中の一員になるになるのだと思うと、感慨深いものがあります。

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 祖父に話を聞くと、祖父の小さい頃は祠の周りに赤い玉がよく  みえたそうです。一瞬背筋が凍る話ですが、どうやら祖父の話  だと人魂ではなく、赤い玉は守り神として森を守ってきたようで  す。祖父はフクロウのことをトーコと言っていますが、トーコもた  くさんいたらしいのです。最近は環境の変化で、えさもなくなっ  たからでしょうか、森にはトーコの泣き声すら聞こえなくなってき ました。そのような寂しい森を氏神様はどのように思っているの か聞いてみたくなります。それでもそこに佇んで見守っている神 様を見ると、頭の下がる思いです。
(トーコ(ふくろう)の住んでいた森です。)

今回は、訪問中に見つけた秋の光景(少し逸脱した部分もありましたが)をご紹介しました。かかし
在宅で療養されている方やそのご家族の方、毎日が慌しく過ぎさっていることと思います。
季節が移り変わるのは早いですね。夏は利用者さんにとって大変な季節だったのではないでしょうか?
もうすぐ冬が来ます。冬も利用者さんにとって大変な季節です。秋の今が利用者さんや御家族の方にとって一番穏やかな季節なのかもしれません。あっという間に時間が過ぎていきます。
こうやって、利用者さんとともに1年が過ぎていくんでしょうね。
     imageCAS7YZLE写真をクリックすると、可愛い河童が飛び出てきます。     
     最後に、運転中に見つけた珍しい河童のかかしでお別れです。
     つたない文章ですが、読んでいただいてありがとうございました。