2013年3月29日金曜日

訪問看護ステーション「花みずき」ブログ⑰

伝える力~コミュニケーションについて

imag66e

本人写真

       

 

         訪問看護ステーション
                       「花みずき」
    訪問看護師   野間川内 有紀

    新年度が始まり、新たに社会人として仕事を始める方も多いと思います。
学校を卒業して、新しい環境に、新しい同僚・先輩・上司と、仕事をしていくわけですが、仕事を覚えて行くために、多くの事を、教えてもらったり、相談したり、話をすると思います。
私も新人の時は、毎日 緊張して先輩の後をついていっていました。
新人の時は、患者さんと何を話せばいいのか、先輩にこんなこと聞いてもいいのか?
悩んだりしていた事を思い出します。

今回は、コミュニケーションについて、お話したいと思うのですが、仕事をしていく上で、コミュニケーションはとても大事ですよね。でも苦手意識があったりする人もいると思うのです。
私も日々悩んでいます。
患者さんに、薬のことや、療養するために注意して欲しいことなど説明する時や、医師に患者さんの状況を説明するとき、また、同僚や他職種に今後の患者さんの看護の方向性を説明するときなど、説明不足でうまく理解してもらえてなかったり、その人の受け取り方や価値観が影響して、うまく伝わらなかったり、どうしたら上手く、自分の気持ちを伝える事が出来るだろうと思い、教材や本を読んだりしてみたりしました。

130321_001619

 池上彰さんの「伝える力」という本を買って読みました。

 その中で、池上さんが記者として訓練を受けた時「中学生にもわかる 原稿を書け」と指導されたそうです。
 難しいことをそのまま難しく表現することは 実はとても簡単です。
 教科書に載っているような説明をすればよいのですから、教科書を見 たり、そこに書いてあることを暗記したりすれば事足ります。
 と書かれていました。
 実際、私も病気のことなどを、患者さんに聞かれ、患者さんが理解で きるようにと、噛み砕いて、易しい言葉を使って話そうとする時に、言 葉に詰まります。
 噛み砕いて表現できるのは、そのことについて、深く理解しているか らこそなのです。
本質をしっかり理解していれば、易しい言葉に置き換えることは可能ですし、相手に対し臨機応変の対応もできます。と書かれていて、そうかもしれないと思いました。
私もまだまだ、深く理解できていない部分があります、知識を深めて、患者さんに説明できるようになりたいと思います。

池上さんはこの本の中で円滑にコミュニケーションするということに対して、失礼なことを言ったり、悪口を言ったりするけど、なぜか大きな問題にならずに、逆に好感を持たれる人がいます。
この違いはどこにあるのでしょうか?
それは、ひと言でいえば、愛情の差ではないかと、私(池上さん)は思っています。
また、同じことを言っても、他の人が言うと上手くいくことがありますよね、相手に対する愛情が根底にあるかどうか、そして、お互いの信頼関係が築かれているかどうかで、表面上は同じ言葉であっても
相手に与える印象は大きく異なるものです。と書かれていて、なるほどな~と読んでいて思いました。

GEDC0252

GEDC0253

 

 

 

 

 


訪問看護に携わっていても、信頼関係が築けていると思うお宅と、まだ数回しか訪問したことのない(まだ、信頼関係が築けていない)お宅があるのですが、まだ、数回しか訪問したことのない訪問先では、時に説明が上手くいかず、受け入れらていないかもしれないと感じる時があり、その患者の受け持ち看護師に後日、再度同じ説明をしてもらったりすることがあります。
また、何度も訪問を続け信頼関係が築け、今まで受け入れてもらえなかったことが、受け入れてもらえるようになったりすることもあります。
コミュニケーションは、話し手と受け手の関係性も大事だったりします。
仕事だけではありません、プライベートでも家族・兄弟や夫婦間でもそうだと思います。
話さないと相手に気持ちは伝わらない、愛情を持って話をして(コミュニケーションを図り)自分の気持ちが、上手く伝えていけるように、コミュニケーション能力を日々高めていきたいと思っています。社会人の先輩として 愛情を込めてひと言。

新入職員のみなさん  “頑張れ!”

2013年3月11日月曜日

訪問看護ステーション「花みずき」ブログ⑯

illust759_thumbP1010439

 

                    

          訪問看護ステーション
                「花みずき」
                                  訪問看護師 樋脇 真由美

日ごとに暖かさがまし、春めいてきました。
今回のブログに、訪問先周辺の木々や花々の写真を添付しました。
一足早い、平成25年早春の風景・香り感じて頂けたら幸いです。

GEDC1201

GEDC1203

 

 

 

 

 


訪問看護をしていると病院勤務とは違ったことを考えさせられます。私は全盲の方と接する機会が今までなかったのですが、皆さんはどうですか?
たぶん町でたまに視力が悪いんだろうなと思われる方を見かけることは、あると思うんです。
がその方と日常のことを話たり、関わったりということは大抵の方がないというのが現状だと思います。かという私も訪問看護に入って初めて全盲の方と接する機会をえました。

その方に初めてお会いした時は、どのような支援ができるだろうかと頭をひねりましたが、考えるだけでは浮かんでこないですね。
その方の生活を見てその方と同じく感じることが自分にとって必要だと思いました。
なので目が見えないってどういうことなんだろうという根本的なところから考えました。
その方の家にはテレビがありません。ラジオはあります。掛時計はありません。音声で時刻を知らせてくれる時計があります。コンロは危ないので置いてありません。
ごはんは、もっぱら買ってきたお弁当やパンなどです。温める電子レンジもありません。
のどが渇いたら水道のお湯をのむそうです。部屋は、歩くとき不便なので障子ではなくカーテンで仕切られてあります。細かいところを上げればいくつもあります。

GEDC1199

GEDC1207

 

 

 

 

 

それは2回目の訪問の時でした。気づいたのです。この方には照明が不要だということに・・・。
なのに、私が来る前は、玄関の扉を少し開け、部屋の照明を入れ、夏は冷房、冬は暖房をいれて待っててくださいます。ベッドで横になって待っててくださっていればよいのですが、居間で横になりながら待っててくださっています。
それは、移動にも時間がかかってしまって急いで出てきて、相手を待たせてしまったり、自分が怪我をしないようにということからだと思うのですが、自分には不要な照明まで気づいて入れてくださっていることに、はっと息をのんだ瞬間でした。
相手への気遣い、それがさりげなくできる、是非私も見習いたいと思います。

また私は、その方に道中の四季や光景についてお話をするのですが、その反応がまた素晴らしいのです。例えば「今日は、すっきりとした秋空で、すすきが風に揺られて、木々も少しずつ紅葉していました。運動会にはもってこいの天気です」とか「今日は、空は晴天ですっきりした冬空で気持ちがいいのですが、空気はぎんぎんに冷えていかにも冬の晴天というかんじです。」と言う具合に。
その方は、何かを考えたあと「はぁ。・・・」っと感嘆の根をこぼされます。どうやら昔見た景色を思い浮かべて想像しているらしいのです。
昔見た美しく感動した光景は、いくつになっても「目に焼きついて」いるんでしょうね。そのように注意を払って景色をみるようになったからでしょうか。冬は冬でも景色や空気って少しずつ変化していくんですね。5感を常に集中しているその方は余計に肌で感じていることだろうと思います。

GEDC1200

GEDC1204

 

 

 

 

 

自分の行動を振り返ると、喉が乾いたら当たり前のように、自分の好きなものを手に取って選んで飲み、ご飯もさめてしまったら、無意識のうちに手は食べ物を温め、用事をすますにもいかにして歩く距離を少なくし効率よくいけるか常に目で見て情報を得て、その中から選択ということを忙しく行っています。
着たい色の洋服を着て、陳列されているものを見て、あぁでもないこうでもないと悩み、、、しまいにはどっと疲れる。なんてことも日々のなかでは多々あります。
けれどもそういうことができるのは、しっかりと自分の目が見えているからなんですね。物を選択するということは実は贅沢なことなんですね。

今回この方の話をさせていたたいたのは、当たり前に出来ていることは実は当たり前じゃないっていうこと、もっと自分の体に関心をもって、たまにはご苦労さまと声をかけていたわってあげてほしいと思い書いてみました。
訪問をしていると色んな方々との出会いがあり、自分以外の人から感じて学ぶことって多いです。

GEDC1198

訪問風景

 

 

 

 

 

追記ご相談ですが、鹿屋市でカレーやちょっとした定食などを配達してくださるお店をご存知の方がいらっしゃいましたら、恐縮ですが、教えていただけると助かります。
この方の支援に役立てたいと思います。